ZUAN&ZOKEI by Makoto Kagoshima

vol.2 うさぎの花器 Q1 うさぎの造形はどうやって生まれたの?

Q1 うさぎの造形はどうやって生まれたの?

ZUAN & ZOKEIのプロダクトの成り立ちや誕生秘話を、鹿児島睦とともにたどる Talk with Makoto Kagoshima。Vol.2は、JÄNIS ウサギの花器です。

鹿児島睦(以下・鹿):僕がもともとハンドメイドで作っていた「ウサギの花器」をもとにして生まれました。この写真のものです。

biotope(以下・b):これは、学芸大学のbiotope時代、最初に個展をしていただいたときの写真ですね。

鹿:ウサギの花器は、陶芸家の僕がはじめて、器ではない立体造形に挑戦した作品です。

b:鹿児島さんの作品は、いまは器が多いですが、biotopeでの最初の個展は半分くらいが立体作品でしたよね。その中でもウサギの花器は、人気アイテムのひとつでした。

鹿:そうですね。

b:鹿児島さんは、いまはハンドメイドの立体作品をあまり作っていませんが、いずれまた見たいなと思います。ところで、ウサギの花器は、何かインスピレーションはあったんですか?

鹿:はい、ありましたね。ヨーロッパの民藝品の本で見たフェルトの……たしか何かのカバーだったと思うんですが、同じ形のフェルト生地を二枚縫い合わせて丸みを出したものでした。その造形がとても可愛らしくて、ひかれていて、粘土でもつくれるんじゃないかと思ったのがきっかけです。

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鹿:こういう造形物は、石膏型で成形するのが一般的なんです。

b:そうなんですね。でも鹿児島さんは型紙でパーツをつくって手で合わせていますよね。

鹿:石膏型でつくるほうが、楽だし早いし綺麗にできるんですけど、僕のアトリエはそれほど広くないので、石膏型をつくってしまうと置く場所も限られてしまう。

b:立体作品は、ウサギの他にも、いろいろなモチーフのものを作っていましたよね。

鹿:そうですね。最近プロダクトになった壁の鳥もありましたし、ライオンとかいろいろありました。それぞれの石膏型を作って保管して置くことは、難しかったんです。

b:それで、自己流の作り方に?

鹿:僕がアトリエでひとりで制作するには、手で成形するほうが、スペースの面でも作業の面でも絶対に効率がよかったですね。

b:実際には、どうやって作り上げますか?

鹿:まずは、フェルト細工をするように、平たく伸ばした粘土に型紙をあて同じ形を二枚切り出します。

b:それを、重ね合わせる?

鹿:そうなんです。切り出した粘土の板に丸みをもたせて重ね合わせます。その後、継ぎ目を綺麗にならしていきます。

b:丁寧に継ぎ目をならしていくところに、けっこう時間がかかりますね。

鹿:そうですね。ひとつひとつなので、1日中作業してもそんなにたくさんはできません。

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b:確かに、この作り方だとあんまり場所を取らないですね。

鹿:そうでしょう? その後、種類がたくさん増えたので、当然、型紙も増えていきました。でも、こんなふうに棚に立てておけば場所もとらないんです。

b:オブジェでも十分魅力的なのに、花器にしたのはなぜですか?

鹿:陶器として、用途をもたせたかったんです。

b:鹿児島さんのハンドメイドの立体造形は、インテリアとして置いておくだけでもいいし、使っても楽しいのが魅力です。私たちは、そういうところもプロダクトに向いているんじゃないかと思っていました。

鹿:僕は、そのアイデアをすごくいいと思いました。でも、石膏型も使わず、完全に手でつくるこの造形は、プロダクトとして量産するには、難しい形だったと思います。波佐見の職人の石原重行さんに制作をお願いできたのが、よかったですね。

b:量産のプロダクトとして「JÄNIS ウサギの花器」を制作するにあたっては、波佐見焼のベテランの原型師・石原重行さんのお力をお借りしています。

次回は、石原さんとのものづくりについて聞かせてください。

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Talk with Makoto Kagoshima vol.2 うさぎの花器

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